About
三冨 敬太 Keita Mitomi

プロトタイピング専門会社S&D Prototyping株式会社代表取締役。
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科卒業、後期博士課程在学中(専門はプロトタイピング)。
◯ 書籍など出版物
- 失敗から学ぶ技術 新規事業開発を成功に導くプロトタイピングの教科書
- ブレーン, プロトタイピング発想のデザイン,株式会社宣伝会議
◯ 受賞
- レッドドット・デザイン賞 ベストオブベスト(最高賞) デザインコンセプト部門, Sound Memory
- ニューヨークプロダクトデザイン賞 - 銀賞 - User Experience (UX) , Sound Memory
- グッドデザイン賞, みまもりレシート, 公益財団法人日本デザイン振興会
- 優秀論文賞, プロトタイピングの実施方法を明確化する支援手法の提案: アイデア段階でのスマートフォンアプリケーションを例に, 慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科
- グッドデザイン賞, オトトトン, 公益財団法人日本デザイン振興会
- ANA WonderFLY CREATIVE AWARD, みまもりレシート, 全日本空輸株式会社
- キッズデザイン賞, オトトトン, 特定非営利活動法人キッズデザイン協議会
◯ 執筆論文・発表
- ANALYSIS OF PROTOTYPE FIDELITY AND ITEMS RELATED TO CUSTOMER WILLINGNESS TO ENGAGE IN CO-DESIGN IN NEW PRODUCT DEVELOPMENT
Journal of the Science of Design 8(2) 47-56 2024年11月
- FACTORS HINDERING THE IMPLEMENTATION OF PROTOTYPING IN THE EARLY STAGES OF NEW BUSINESS DEVELOPMENT
- A Proposal for a Prototyping Method Focused on Communication That Increases Economies of Prototyping
ASME IDETC–DTM Conference 34 2022年8月
- Prototyping in each Development Process to Improve Company and Team Performance
IASDR 2021 2021年12月
-PROTOTYPING CLASSIFICATION FOR NOVICE DESIGNERS PARTICIPATING IN DESIGN PROJECT
Journal of the Science of Design 5(2) 2021年12月
- プロトタイピングが開発プロセスに与える効果 -24 回のプロトタイピングを実施した製品「Your Pleasure」の開発を事例として
日本創造学会論文誌 24 59-78 2021年3月
◯ 講演・口頭発表等
- 非専門家のプロトタイピングにおける障壁軽減に向けた包括的AIアプローチ
日本デザイン学会第72回春季研究発表大会 2025年6月29日
- 思考発話法を用いたプロトタイプ解釈の構造モデルの提示
日本デザイン学会第72回春季研究発表大会 2025年6月29日
- オーガナイズドセッション:テクノロジーの進展に伴うプロトタイピングの民主化と活用方法
日本デザイン学会第71回研究発表大会 2024年6月22日
- 新製品のプロトタイピングにおける顧客フィードバックの潜在的評価の測定 ― GNATを用いて― マーケティングカンファレンス2023 2023年10月
- 新製品開発の初期段階におけるプロトタイピングとチームクリエイティビティの関係:大学院で実施されたデザインプロジェクトを例に
第70回日本デザイン学会春季研究発表大会 2023年7月
- オンライン環境とオフライン環境を想定したプロトタイピング設計の分析
日本創造学会第44回研究大会 2022年11月
- 障害の有無を超えた対話型のデザインプロセスの提案 インクルーシブデザインから、価値を発見して顕在化するバリュアブルデザインへ
日本デザイン学会第68回春季研究発表大会 概要集 2021年6月
- Effects of Prototyping on the Solution Development Process: Through the actual application to 24 prototyping of "Your Pleasure
41st Annual Conference of Japan Creativity Society 2019年9月
- The Evaluation of 24-prototyping of “Your Pleasure” using Context Diagram and Use Case Description
41st Annual Conference of Japan Creativity Society 2019年9月
◯ 共同研究・競争的資金等の研究課題
Mobility for ALL 2025年 活動支援金
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金 Mobility for ALL ~心も動く移動を、すべての人に。 2025年2月
Mobility for ALL 2024年 活動支援金
一般財団法人トヨタ・モビリティ基金 Mobility for ALL ~心も動く移動を、すべての人に。 2024年7月
「みまもりレシート」クラウドファンディング達成
クラウドファンディング「WonderFLY」 2018年2月
ANA WonderFLY CREATIVE AWARD 賞金
全日本空輸株式会社 ANA WonderFLY CREATIVE AWARD 2017年10月
◯ MISC
- Webメディア「Biz/Zine(ビズジン)」(株式会社翔泳社)で「民主化するプロトタイピングの新潮流」を連載
- 「プレジデント総合研究所 社員教育の最前線 キーパーソンの証言」に取材記事が掲載。
Facebook:https://www.facebook.com/keita.mitomi
Twitter:https://twitter.com/mitomikeita
はじめまして!
三冨敬太です。プロトタイピングとサイゼリヤが非常に好きです。サイゼリヤもファミレス利用やトラットリア利用など、用途によって認識が分かれるところではあると思うのですが、プロトタイピングについても同様です。
「誰もがみんな、プロトタイピングについて異なることを期待している(*1)」。IBMでUX Design Leadを務めるStephanie Houdeさんは、1997年に発表した論文の中でそう言います。彼女が言うように、プロトタイピングの定義は本当にさまざまです。例えば、エンジニアリング分野では、「機能や製造プロセスのテストに使用される本格的なプリプロダクションモデル(*2)」。デザイン分野では、「最終成果物が存在する前に作成されたデザインの表現(*3)」。Googleは、「仮説を検証するための実験(*4)」とシンプルに表現しています。これらはあくまで一例で、「プロトタイピング」という言葉は、多くの定義が乱立しています。
プロトタイピングは、近年デザイン思考の文脈で注目されることが多いのですが、もともとは20世紀中頃からエンジニアリングのメソッドとして進化をしてきました。デザインのビジネス分野でしっかりと活用されるようになったのは、1997年のハーバードビジネスレビューにプロトタイピングがデザインのビジネス分野で注目を集め、使用され始めている旨の記述(*5)があります。
ただ、エンジニアリング分野におけるプロトタイピングと、デザイン分野におけるプロトタイピングは発展の仕方が異なった影響で、用いられる方法がそれぞれ違います。だからこそ、プロトタイピングには「誰もが異なることを期待している」のです。
とはいえ、エンジニアリング分野でもデザイン分野でも「新しいものをつくる」という目的は共通です。だからこそ、2つの分野のプロトタイピングをうまく統合して活用することで、さらに効率的にものをつくったり、今までにないものをつくることにつなげることができるのではないか。私はそう考えています。
エンジニアリング分野とデザイン分野のプロトタイピングをアカデミックで研究し、ビジネスで実践していくことを、生涯の取り組みとして進めています。ぜひ、一緒に何か取り組めそうだ、という方がいらっしゃいましたら、お気軽にご連絡ください。
(*1)Stephanie Houde, Charles Hill,Chapter 16 - What do Prototypes Prototype?,Editor(s): Marting G. Helander, Thomas K. Landauer, Prasad V. Prabhu,Handbook of Human-Computer Interaction (Second Edition),North-Holland,1997,Pages 367-381,
(*2)Dieter, G.E. and Schmidt, L.C. (2009) Engineering design, McGraw-Hill Higher Education
(*3) Buchenau, Marion, and Jane Fulton Suri. "Experience prototyping." Proceedings of the 3rd conference on Designing interactive systems: processes, practices, methods, and techniques. 2000.
(*4) https://designsprintkit.withgoogle.com/methodology/phase5-prototype
(*5) Leonard, Dorothy, and Jeffrey F. Rayport. "Spark innovation through empathic design." Harvard business review 75 (1997): 102-115.